第34回東北脊椎外科研究会を終えて

徒然なるままに・・・東北脊椎外科研究会は1991年に初めて開催された伝統ある研究会であり、1992年に入局した私はこの研究会に育てて頂いたと言っても過言ではありません。若かりし頃は活発な議論を重ねる諸先輩方に憧れを感じておりました。歳を重ねても本会に対するそんな想いは捨てきれずに今回非常に光栄な想いで第34回の会長を務めさせて頂きました。

コロナ禍で失われた日常・・・この中に本会もありました。寒いながらも1月末に気合いを入れて仙台に赴く機会も奪われ、東北の脊椎外科医が一堂に会せないジレンマは今でも忘れることができません。それ故に今回はとにかく「みんなで楽しく集まりたい!」の想いから、これまでの前夜の症例検討会を取り止め、意見交換会を企画させて頂きました。お陰様で60名の先生方にご参集頂きまして楽しい時間を過ごすことができました。また研究会当日は、久しぶりの完全現地開催に53演題、134名と多数の参加者を仰ぐことができました。

今回は「超高齢社会における次世代脊椎外科の矜持」をテーマに、事前に各県に依頼してシンポジウム「Big Dataからみる高齢者の脊椎手術の課題」を企画させて頂きました。シンポジストの様々な切り口からの検証は示唆に富むものでした。特別講演では東海大学整形外科学准教授の酒井大輔先生より「新技術で進化する脊椎疾患の手術治療:脊柱変形を中心に」というタイトルでご講演頂き、まさに「次世代」を語るにふさわしい先生にご講演頂けたことで研究会が締まった想いでした。

ハードな脊椎外科では挫けず前へ進むために弛まない努力とそれを支える多少のプライドも必要で、本研究会で次世代の先生方が「矜持」を醸成するきっかけを掴み、脊椎外科医として今後も成長して欲しいと願うばかりです。

最後に東北の絆で繋がっている先生方に感謝を申し上げます。また来年お会いしましょう!ありがとうございました。

第34回東北脊椎外科研究会
会長 富田 卓
(青森県立中央病院)

開催スケジュール 抄録集