第31回東北脊椎外科研究会を終えて

令和3年1月23日(土)に第31回東北脊椎外科研究会を開催させていただきました。福島医大の大谷晃司先生が、会長をされた第30回研究会後を振り返っておられる本HPの幹事の随想の中で「Covid-19感染が問題となる前の最後の研究会となり(中略)今回が古き良き時代の最後の研究会かもしれません」と、第31回研究会が置かれた状況について早くから予想されていたことはまさに慧眼で、その洞察力に感服しております。

ということで、のほほんと現地開催をもくろんでいた私の計画にはすぐに暗雲がたれこめ、令和2年3月には特措法が成立、4月には第1回緊急事態宣言が発せられました。6月までは何とか現地開催できないかと考えていた私も、さすがにその頃からweb開催も念頭に置かざるを得なくなり、9月にweb開催を決定しました。

本研究会では初の試みとなりましたが、幸い多くの学会や研究会ではweb開催がされはじめており、運営を依頼した業者の方もある程度のノウハウを持っておられたので何とか無事にweb開催にこぎ着けることができました。とはいえ、本研究会を長きにわたってご支援いただいている大正製薬株式会社の皆様の多大なるご協力をいただかなければ到底できなかったことであり、本当に感謝申し上げます。

研究会の開催方法や発表方法などの周知に本研究会のHPが助けとなりました。多くの先生方に参加いただくためには参加費の納入を簡便にすることも重要と考え、クレジットカードで精算できるシステムを構築しました。費用はすこしかさみましたが、web開催でどこからでも参加可能ということもあり、例年より多くの先生方に参加頂けたことは幸いでした。

会の当日は新潟市朱鷺メッセの1室を確保し、そこにスクリーンと演者席(といってもほとんどの演者はweb参加ですが)や座長席を設け、会場には主に座長の先生方のみにきていただくこととしました。主題の「脊柱矢状面アライメント」「脊椎脊髄外科新技術」、症例報告と一般演題、そして教育研修講演として、獨協医科大学整形外科教授の種市洋先生によるご講演など、盛りだくさんの内容で、8時30分から18時過ぎまでの長丁場の研究会となりました。47題の演題をご発表いただき、小さなトラブルはありましたが、皆様のご協力のもと概ね円滑な運営できたと考えております。尚、若手最優秀演題賞は西多賀病院整形外科の吉村広志先生の「脊椎外科専攻医がopen術式より先に内視鏡手術を習得するための執刀医教育システムとlearning curveの検討」、最優秀演題賞は弘前大学整形外科の和田簡一郎先生の「思春期特発性側弯症の呼吸機能と胸郭変形および筋肉量の関係」に決定いたしました。おめでとうございます。

最後に、今回の研究会にご協力いただいた多くの先生方に感謝申し上げるとともに、まだまだCovid-19の今後が見通せない現状の中、いつか以前のような古き良き研究会が開催されることを祈念いたしまして御礼の言葉とさせていただきます。

第31回東北脊椎外科研究会
会長 平野 徹
(新潟大学地域医療教育センター魚沼基幹病院整形外科)

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