第26回東北脊椎外科研究会を終えて

第26回東北脊椎外科研究会の開催にあたり、各県の幹事先生方と御協力していただいた関係各位の方々に深く感謝いたしました。毎年の恒例ですが、1月の真冬のこの時期に当研究会が開催されると1年の始まりを感じました。本学会は平成3年1月19日が初回ですので、参加される先生方のなかには、本学会より若い世代の方がおられたかも知れません。138名の先生方の参加と51演題の申込みをいただきました。大変ありがとうございました。

約25年前に学位習得と整形外科専門医試験が終わり、自分subspecialtyとして脊椎脊髄外科を選びました。その理由は漠然とではありましたが、他の整形外科分野に比べて、脊椎脊髄外科では正確な神経症候学的診断と適切な手術治療を行えばdrasticな結果が得られると思ったからです。自分の考えに同感される先生方もいらっしゃるはずです。当時、自分も本研究会に恐る恐る参加したことを良く覚えています。実際に経験のない術式の成績の発表などは特に大変でした。質問に、国分先生、西多賀病院の石井先生、新潟の本間先生や福島の故木田先生などが立たれると、これは‘まずい’何を聞かれるのだろうと苦戦いたしました。とても貴重な経験でした。

自分は秋田県農村部(大館市)の一般病院の整形外科に勤務しているため、実際に手術治療などを行う患者さんの90%は腰椎の変性疾患の方です。このために、今回の主題を‘腰椎変性疾患の診断と治療 -最近の進歩-’にさせていただきました。脊椎脊髄外科の基本的な考え方は、正確な神経症候学的診断、確実な病変部の除圧、必要十分は矯正と固定と考えられます。主題の手術治療と診断などにそれぞれ5演題、4演題を選択させていただきました。いかがだったでしょうか? 一般演題では外傷に関連するものが少なく、一方で感染症に関する演題が多数ありました。どの先生方も感染で大変苦労してされているこが推測されました。臨床に役立つ内容と期待しております。

本研究会では、毎年多数の演題応募があり口演発表の時間が短くて、どうしてもbusy scheduleになっております。今回は新しい試みとして、Coffee Break & Poster Tourを企画してみました。ご理解と協力をいただいた先生方には深謝したします。口演発表と同様に堪能していただけたでしょうか? また、 特別講演をDr. Kilian Ch. F. (in Koblentz, Germany) にお願いしたところ快くお受けいだだきました。お忙しい中、真冬の仙台まで遠路はるばる大変ありがとうございました。大変気さくな先生で、前夜祭でもご意見をいただいました。 Lumbar instabilityやbone fusionの考え方など日本の先生方とは多少異なったかもしれませんが、その違いが大変参考になったのではと思いました。

前夜祭の大館市特産の‘きりたんぽ鍋‘も含めて、約1日半の研究会でしたが、参加された先生方の今後の臨床に多少でも役に立てばと考えております。最後になりますが、皆様のご健勝と今後の東北脊椎外科研究会の発展を祈念して、御礼のあいさつにしたいと思います。

第26回東北脊椎外科研究会
会長 奥山幸一郎 2016 2月10日
独立行政法人労働者健康福祉機構 秋田労災病院

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